---- 今日の風は何色?
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コレクション日本歌人選は、古代から現代までの日本の歌・歌人(アイヌユーカラ、琉球おもろそうし含む)を
中学生から大人までわかりやすく解説しているシリーズです。
60冊全部は流石に買えないので、好きな歌人を少しずつそろえています。
好きな式子内親王や和泉式部は買ったのですが、意外にも良かったのが、平安時代前期(宇多天皇)に活躍した伊勢。

難波潟 短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過くしてよとや

百人一首でも有名ですが、他の歌もしみじみと、でもあまり感情の迸りもなく、上品。(でも新古今の時代のように技巧に走りすぎている感もなく、情感はあります)解説もわかり易いです(でも中宮を「天皇の奥さん」という書き方は「??」ですが・・。中学生向きだからか?)

いくつも秀歌はありますが、この中で珍しく、かつとても良かったのがこの時代と女性としては珍しい長歌が最も印象的でした。


 沖津波 荒れもみまさる 宮の内は 年経て住みし 伊勢の海人も
 舟流したる 心地して 寄らむ方なく 悲しきに 涙の色の 紅は
 我らが中の 時雨にて 秋の紅葉と 人々は おのが散り散り 別れなば
 頼むかげなく なり果てて とまるものとは 花薄 君なき庭に
 群れ立ちて 空を招かば 初雁の なき渡りつつ よそにこそ見め

宇多天皇中宮温子が亡くなり、その悲しみを仕えていた女房の代表として詠んでいます。
「舟流す=涙⇒時雨」、「涙の色=紅⇒紅葉」「夏(崩御した時期)から秋になったイメージ」など
を表現し、「雁⇒仕えていた者が去っていく悲しみ」と巧みな技巧で、かつ情感もたっぷりと
歌い上げています。
流れるようなリズム感もあり、もしかすると皆で読んで温子を偲んだのかもしれません。

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【2016/06/03 23:50】 | Books
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